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040 熱損失係数と夏期日射取得係数を計算してみる(2011年8月20日) |
熱損失係数と夏期日射取得係数を実際に計算してみましょう。札幌市内に建つ実際の家です。「北野の家」と名付けました。築13年になりますが、現在の基準と比較してみたいと思います。 札幌市のホームページには、「エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)に基づく届出について」というページがあります。ここに、エクセルを使った熱損失係数・日射取得係数計算シートがあります。PDF版の解説もついていて、なかなか良く出来ています。一連計算もできるようになっていますが、一部を流用させて貰いました。 1)延べ面積の計算 札幌市のエクセルシートは、部屋別に床面積を出すようになっていますが、これは共同住宅向きのようです。今回は、建築基準法の床面積を利用しました。天井の高さが2.1m以上ある屋根裏部屋も面積に算入します。また、「北野の家」には、吹抜がありますが、2階の床から吹抜の天井の高さが2.1m以上ある場合も床があるとみなされます。出窓は、突出が50cm以上ある場合、突出部分を床面積に算入します。以上の計算から、延べ床面積は145.78uとなりました。 2)気積の計算 階別に、床面積に天井高さをかけて気積を計算します。吹抜部は、1階の天井高さから吹抜部の天井高さまでの高さをかけます。1階の天井裏(2階の床下)のすき間部分は、気積に含みません。今回は、該当しませんが、屋根断熱の場合は、屋根頂部が高さとなり、実際の気積より多く計算することができます。以上の計算から、気積は375.69m3となりました。 3)各部位の計算 屋根又は天井の計算は、水平投影面積を計算します。天窓があるので、その部分を引くことになります。結果は、77.57uです。 外壁は、日射取得係数の計算のために、東西南北別に計算します。1階の高さは、1階の床から天井までです。2階は、1階の天井から断熱をしている2階の天井高さまでとなります。また、窓の面積もガラスの種類別に計算しておきます。これは、札幌市のエクセルシートを流用させて貰いました。表(※1)です。外壁が178.298u、開口部が34.72uです。 4)熱貫流率(K値)と平均熱貫流率(U値)の計算 天井(屋根)、壁、床別に熱貫流率(K値)を計算するのですが、内部の木下地面積を計算して、平均熱貫流率(U値)を算出しても良いのですが、札幌市では、表(※2)のような「熱橋面積比率」を利用しても良いことになっています。便利ですね。それを利用したエクセルシートがありますので、表(※3)のように平均熱貫流率(U値)を計算しました。土間床もエクセルシートを流用して計算しておきます。 5)熱損失係数(Q値)の計算 これも札幌市のエクセルシートを流用しました。一連計算の計算式を変更して、今まで計算した数値を手入力します。また窓の熱貫流率も札幌市のPDF版解説に添付されている表を使用して数値を入力します。換気階数は、熱交換型の24時間換気が設置されていますが、今回は標準の0.5回を採用しました。結果、「北野の家」の熱損失係数(Q値)は、2.271(W/u・K)となり、地域区分のT地域は基準が「1.6」ですから、NGとなりました。「等級2」の省エネルギー基準だということが判ります。この10年間の向上は、目を見張るものがありますね。(表※4) 6)夏期日射取得係数(μ値)の計算 これは、既に出ている表(※4)に、札幌市のPDF版解説を参考に開口部の日射侵入率(η)を入力すると、すぐに結果が出ます。夏期日射取得係数(μ)は、0.059(u/u)となり、T地域の基準値0.08をクリアしていることになりました。 |
札幌市内に建つ「北野の家」 |
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「北野の家」の動画 |
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※1 各部位の計算 札幌市のホームページにあるシートを転用 |
※2 熱橋面積比率の例 |
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※3 平均熱貫流率を求める 札幌市のホームページにあるシートを転用 |
※4 熱損失係数と 夏期日射取得係数の計算 札幌市のホームページにあるシートを転用 |
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039 夏期日射取得係数について(2011年8月16日) |
■冬期において、建物の保温性を評価する基準が熱損失係数でした。一方、夏期において、建物への日射侵入量の基準となるのが夏期日射取得係数です。いいかえれば、夏期における冷房負荷がどれだけ大きいかの指標であるともいえます。 冷房期間中において、表(※1)図の<A>のように、建物にまったく遮蔽がない場合に取得する日射量に対する、<B>のように実際の建物による遮蔽がある場合の日射量の平均的な比率を夏期日射取得係数と定義されています。 μ(日射取得係数)= B(実際の日射取得量)/A(遮蔽がない場合の日射取得量) 次世代省エネ基準では、表(※2)のように、Q値(熱損失係数)と同じ地域区分で全国を6つの地域について、それぞれμ値(夏期日射取得係数)の基準値が定められています。 |
A図 B図 表(※1) |
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T地域で、μ値が「0.08」ということは、まったく遮蔽がない状態が「1」ですから、8%の日射が平均して侵入してくることになります。単位が小さいですが、「0.06」と比較すると、25%も基準値が異なることを留意する必要があります。 時々、ガラス面を大きくした建物が見受けられますが、この係数をチェックすることにより、対策を取ることができるといえましょう。家は、夏をむねとするものでも、冬をむねとするものでもありません。 ■μ値は、次式より求められます。(μ:ミュー、η:イータと呼びます) μ=[(Aij×ηij)×Vi+Ari×ηrj]/S μ :日射取得係数 Aij:外気に接する壁の面積 ηij:壁の日射侵入率 Vi :方位係数(地域の区分に応じて定められる係数) Ari:屋根の水平投影面積 ηri:屋根又は当該屋根の直下の天井の日射侵入率 S :床面積の合計 |
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■(Aij×ηij)×Viの計算方法 この計算式は、壁体ごとの日射取得係数を求めているものです。熱損失係数を求めたときに算出したU値(各部の熱貫流率)が必要になります。 Aijは、単にその部位の面積です。ηijは、壁の日射侵入率ですが、以下の計算で求められます。 η=aU/a0=約0.034U a :壁体の日射吸収率=0.8 U :各部の熱貫流率 W/mK a0 :外気側熱伝導率=23 W/(uK) |
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となりますので、各壁体の熱貫流率に0.034をかけると日射侵入率が算出されます。 一方、Vi(方位係数)は、表(※3)から求められます。 以上の計算で求められた日射取得係数の合計値が壁体の日射取得係数となります。窓面部分は、壁体面積から除いておく必要があります。 ■窓面の日射侵入率の計算 窓面、すなわちガラス面の日射取得係数も基本的に同じ計算ですが、日射侵入率は、ガラスやカーテン等の種類により、表(※4)のように定められています。面積に日射侵入率をかけて、方位係数をかけると求めることができます。 ■Ari×ηrjの計算方法 この計算式も、(Aij×ηij)×Viと同じ計算です。要するに、方位係数が1.0の水平面の計算をしているだけです。日射侵入率は、熱貫流率に0.034をかけることになります。 |
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■オーバーハング型の日除けを設置した場合の補正方法 庇、バルコニー、軒などのように、窓に対して、充分なオーバーハング型の日除けがある場合(※5)は、窓のη値(日射侵入率)は以下のように補正することができます。ただし、2009年の改正により、z値(張出寸法)が1,200mm以上ある場合は簡易的にfc(補正係数)=0.7とすることができるようになりました。 η=fc・η0 η:補正後の日射侵入率 fc:オーバーハング型日除けの補正係数 η0:補正前の日射侵入率 補正係数の計算は、結構、面倒です。まず、L1及びL2を以下の計算式から求めます。そのL1とL2をパラメータとして表(※6)から、それぞれf1とf2を読み取り、次の計算式からfc(補正係数)を求めることになります。 L1=y1/z L2=(y1+y2)/z fc=[f2・(y1+y2)−f1・y1]/y2 z:庇の出(m) y1:庇から窓上部までの距離(m) y2:窓の高さ(m) L1:窓上部のパラメーター L2:窓下部のパラメーター fc:オーバーハング型日除けの補正係数 f1:L1から読み取る補正係数 f2:L2から読み取る補正係数 |
オーバーハング型日除けを設置 (※5) |
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「住宅の省エネルギー基準の解説 改訂第3版」 (財)建築環境・省エネルギー機構 より |
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■基礎断熱 基礎断熱をした場合は、床下も室内扱いとなります。したがって、地上部分の基礎の壁も壁体に算入します。 ■品確法と夏期日射取得係数 夏期日射取得係数においても、Q値(熱損失係数)と同様に、温熱環境性能が定められています。表(※7)を参考にして下さい。 ■長期優良住宅と夏期日射取得係数 Q値(熱損失係数)と同様、長期優良住宅の摘要を受けるためには、次世代省エネ基準、即ち品確法での住宅性能表示で最高ランクの4等級をクリアしている必要があります。 |
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■日射遮蔽と省エネルギー効果 (財)建築環境・省エネルギー機構が発行している「自立循環型住宅への設計ガイドライン」をみると、比較的温暖な地域(省エネルギー基準による地域区分のW地域)を対象としたデータですが、日射遮蔽対策の目標レベルと省エネルギー効果が設定されています。(※8) これをみると、η(日射侵入率)が0.79程度では、削減効果がないことになりますが、ηを0.30以下にすると削減効果が45%あることになります。表(※4)を見ても、カーテンやブラインドの効果がかなり高いことも判ります。 ■μ値(夏期日射取得係数)を改善 μ値の計算をすると、全体では屋根から入る熱の割合が高いことが判ります。壁面では、南面よりも東西面からの数値が大きいことが判ります。また、窓からの割合が高く、庇の効果が高いことも判りますが、東西面では庇等の日射遮蔽効果はあまり期待できません。太陽の軌跡を考えると当然ですね。 |
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038 上湧別ふるさと館 ポストモダンを訪ねて(2011年8月7日) |
※枠がある画像をクリックすると画像が開きます |
遠軽町の瞰望岩を望む |
瞰望岩からの遠軽町の眺望 |
士幌方面の広大な牧草地 |
上湧別ふるさと館外観 |
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仕事で、帯広まで行くことがあり、少し足を伸ばして上湧別まで行ってきました。2011年6月21日から23日にかけてのことです。残雪が残る日勝峠は、雄大な自然を見せてくれました。音更から士幌にかけての広大な牧草地を満喫して、その日は、しほろ温泉に入りました。大自然の中に佇む、茶褐色のモール温泉の施設です。露天風呂が熱く、自然の中に浸ることができました。しかし、牧場の?臭いが少し気になります。翌日は帯広での仕事の終了と共に、道東に向かいました。 途中、遠軽を経由したのですが、「瞰望岩(がんぼういわ)」というのが、気になりました。後で調べると、高さは約78mあり、アイヌ語で「インカルシ=見晴らしの良いところ」と、遠軽町の名前の由来になっているそうです。建物が頂上に見えます。車で、背面にある「太陽の丘公園」から行ってみることにしました。散歩程度の登山をして、頂上に登ってみると、注意書きにも書いてありましたが、まったく柵がない絶壁です。自分の責任で登るということですね。遠軽町を展望しましたが、さすがに足がすくみました。帰りは、麓の遠軽神社にも参拝してきました。 30分程度で、上湧別ふるさと館に着きました。噂に違わないポストモダンです。屯田兵の湧別原野入植100年目を記念して1996年に開館したそうですが、建物のイメージは、ほとんどかけ離れています。設計者の渡辺豊和のホームページをみると、「オホーツク流氷の縄文模様」とか「北方荒野の原風景から凍結されるガウディ的空間を導き出す」となっていて、やはり関係がないイメージがうかがえます。 |
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上湧別ふるさと館の内部 |
渡辺豊和の建物は、2007年にも島根県の加茂町文化ホール「ラメール」を訪れました。「古代世界の宇宙模型卵形の立体化」「ヤマタノオロチの形象化」といったイメージの建物ですが、よくまあ造ったものだと感心させられました。内部は、ヤマタノオロチの体内のようでもありました。氏のホームページには、「日本書紀の罠」という異説?が掲載されていますが、そのうちゆっくり読んでみようと思っています。 上湧別ふるさと館の内部は、撮影禁止でしたが、フラッシュをたかないことと、展示品を写さないという条件で、撮影をさせて頂きました。内部に入ると、早速の大空間が現れました。ここは、内部空間に木材を多用しています。意味不明な明かり取りの尖塔が気になります。建設は、大変だったろうなと同情せざるを得ません。屯田兵関連の陳列が多数ありますが、関連性はまったく感じられません。帰りがけに気がついたのですが、床に大きな黒曜石が陳列してありました。この近くの上湧別川では、黒曜石がたくさん取れていたのですね。今から1万2千年から2万年前にかけた旧石器時代に、東アジア全域に渡る黒曜石のネットワークが形成されていたことに思いを馳せることができて、初めて建物のイメージに繋がったなと思った瞬間でした。 その後、紋別市まで足を伸ばして、久しぶりに氷海展望塔オホーツクタワーを概観してきました。タワーの建設時、地上で建設した展望塔をクレーン船で起重したまま海上を運んで、据え付けた瞬間に立ち会いましたが、それから15年経っています。515mもある防波堤をゆっくりと海岸線を見ながら往復をしてきました。近くには、ガリンコ号も陸上展示していました。 |
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加茂文化ホール |
加茂文化ホール |
紋別のオホーツクタワー |
オホーツクタワーに続く防波堤路 |
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037 熱損失係数について(2011年7月3日) |
■熱損失係数とは ハウスメーカーのパンフレットなどを見ると、<熱損失係数1.2W/u・Kとか1.6W/u・K>などと性能を誇っています。これは、「24時間換気について」でも書きましたが、次世代省エネ基準(住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する設計、施工及び維持保全の指針)に示されている、いわゆる<Q値>にあたりますが、建物の室内外の温度差が1°Cのとき、床、壁、窓、換気、屋根などから、1時間当たり逃げていく熱の量を床面積で割った数値のことです。数値が少ないほど性能が勝ることになります。 次世代省エネ基準では、表(※1)の様に、全国を6つの地域に区分して、指針となるQ値が定められています。また、6地域に関わらず、青森県の十和田市などはT地域、北海道の函館市などはU地域とするなど、市町村別の細かい地域指定が行われています。 ※新しく省エネルギー基準が見直され、床面積当たりの熱損失係数(Q値)から、外皮面積当たりの外皮平均熱貫流率(U値)に指標が変更されます。また、地域区分も全国8地域に変更されます。(2012年11月28日追記) |
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詳細は、「住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する建築主等及び特定建築物の所有者の判断の基準」をご覧下さい。 熱損失係数を実際に計算するには、多少の知識が必要になります。計算自体は、それほど難しくはありませんが、計算に至る過程を簡単に説明します。 ■熱伝導率と熱抵抗値と熱貫流率 熱伝導率とは、ある物質があるとします。その物質の厚さを1mに設定します。その両側の気温差が1°Cのとき、その物質の表面から裏面まで、1u当たり、1時間に何キロカロリーの熱量が流れるかを示した値が熱伝導率です。単位は、 λ=W/m・K=W/m・h°C 代表的な物質の熱伝導率を表(※2)に示しました。 熱抵抗値(R値)とは、材料の断熱の性能値のことです。値が大きいほど、熱を伝え憎い材料となります。 R値=材料の厚み(d)÷材料の熱伝導率(λ)=(u・K/W) となります。例えば、コンクリートの熱伝導率は1.6W/mKですから、厚さが15cmのときは、0.15÷1.6=0.09(u・K/W)です。一方、24Kのグラスウールの厚さを15cmとした場合、0.15÷0.038=3.94(u・K/W)となり、コンクリートがかなり熱を伝えやすい材料であるかが判ります。 一方、熱貫流率とは、壁があるとします。壁の構成・部材・厚さは問いません。その両側の気温差が1°Cのとき、1u当たり、1時間に何キロカロリーの熱量が通過するかを示した値が熱貫流率です。K値といわれていましたが、U値と表されるようになりました。単位は、 U値=K値=W/u・K =kcal/u・h・°C 要するに、下地から仕上までを含めて、その壁でどれだけ熱が流れるかの値です。 ■熱貫流率の計算 (一般の壁の場合) 木造住宅でも鉄筋コンクリートの住宅でも、熱貫流率の計算は同じことですが、実際の壁は単一な材料では成り立ってはいません。空気層を含めた複数の材料で構成されています。 例えば、右下の図のような壁(※3)があったとします。この場合の、熱貫流率の計算は、以下の様になります。この計算式を見て判るように、熱貫流率の計算では、室内側・壁内・室外側の空気層の熱抵抗も加算されます。 |
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K:熱貫流率[W/u・K] Ri:室内側表面熱伝達抵抗[u・K/W] Ro:外気側表面熱伝達抵抗[u・K/W] Ra:空気層の熱抵抗[u・K/W] d:建材厚さ[m] λ:建材の熱伝導率[W/m・K] 上記の式のように、壁を構成する層の一つ一つの熱抵抗値を加算して、その逆数(1を加算した熱抵抗値で割る)がU(K)値となります。難しいように見えますが、計算してみると簡単な計算です。 加算するRi:室内側表面熱伝達抵抗(u・K/W)、Ro:外気側表面熱伝達抵抗(u・K/W)、Ra:空気層の熱抵抗(u・K/W)は以下の表によります。(※4、5) |
熱貫流率の計算<一般的な壁の場合> (※3) |
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■熱貫流率の計算(複数の部材がある場合) 木造住宅などでは、外壁や屋根、天井などの断面構造が単一ではありません。その場合は、それぞれの面積の熱貫流率を求め、面積荷重で平均する方法によります。平均熱貫流率ともいいます。右図のような壁の場合(※6)、計算式は以下のようになります。 ■熱損失とは 以上のように、天井、外壁、開口部、換気等の部位毎に熱貫流率を求めて、その部位毎に面積を掛けて出したものが、部位毎の熱損失(A・u・K/W)となります。その総和が、建物全体の熱損失となります。要するに、どれだけの面積(A)で熱が貫流(U値orK値)したかを求めて、合計したものがその建物全体の熱量の損失となるわけです。(※7) ただし、外気に通じる床裏部分だけは、0.7を掛けることになっています。それをH値:温度差係数ともいいます。外気に通じる天井裏や小屋裏の場合は、そのままの数値となります。即ち、H値が1.0ということになります。当然、壁のH値も1.0です。 |
複数の部材がある熱貫流率の計算 (※6) |
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北海道庁が推進していた「北方型住宅」では、基礎断熱した床下空間や屋根断熱をした屋根裏空間を気積に含め、その気積を2.6で割った数値をQ値計算の床面積に算入できるとしていましたが、2011年の4月1日から、国の省エネ基準に統一するため、床面積に算入できないことになりました。 床面積に算入できないことにより、従来より熱損失係数は不利になります。高断熱住宅は、北海道が全国に比して十数年は先進的だと思います。全国的に高断熱住宅が普及している現在、基準がまた変わることを期待したいですね。 |
建物全体の熱損失 (※7) |
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■熱損失の計算(土間床の場合) 土間床については、周長(外周部の長さ)×U値(熱貫流率)+中央部面積(外周から1m内部に入った面積)×U値(熱貫流率)という計算になります。要するに、外周部と中央部を分けて計算します。ここだけが少し変則ですね。(※8) ■熱損失の計算(換気の場合) 換気の場合は、住宅のB値(気積(m3))に換気回数を掛けて、さらに0.35倍することになっています。気積には、床裏や天井裏の容積は含まれません。 ■熱損失の計算(開口部の場合) 開口部も壁と同様に算出します。壁の面積から開口部の面積を引くのは当然です。カーテンや雨戸なども補正式がありますが、今回は省略させてもらいます。 |
土間床の熱損失の計算 (※8) |
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■熱損失係数(Q値)の計算 あとは、熱損失の総量を建物全体の床面積で割ってやると、それが熱損失係数(Q値)となるわけです。要するに、面積当たりにどれだけ熱量が損失するかの評価値が熱損失係数(Q値)となる訳です。逆のいい方をすると、どれだけ断熱性能があるかの評価値であるともいえます。 単純に考えても、断熱性能を下げると、熱損失は大きくなりますし、複雑な形態にすると外壁面が増えて熱損失は大きくなります。窓を大きくすると熱損失が大きくなるのは当たり前です。熱損失係数を計算して、建物の仕様を決めるのは大事なことといえるでしょう 熱損失係数(Q値)の計算をまとめると以下の計算式になります。 Q=(ΣAiUiHi+Σ(LFiULiHi+AFiUFi)+0.35nB)/S 各部位 土間下・基礎断熱 換気 Ai :外気又は、外気に通じる床裏、小屋裏もしくは天井裏に接する第i部位の面積 Ui :第i部位の熱貫流率 Hi :第i部位又は、第i部位床の外周の接する外気等の区分に応じて掲げる係数 (床裏に接している場合は0.7、それ以外は1.0) LFi :第i土間床等の外周の長さ ULi :第i土間床等の外周の熱貫流率 AFi :第i土間床等の中央部の面積 UFi :第i土間床等の中央部の熱貫流率 |
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n :1時間あたりの換気階数 B :住宅の気積 S :住宅の床面積の合計 |
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■品確法と熱損失係数 ここまでは、次世代省エネ基準を元にして説明してきましたが、実は省エネ基準は、発表された年度によって、旧省エネ基準、新省エネ基準、次世代省エネ基準といった呼び方がされています。基本的に新しい基準が性能で上回っていることは間違いありません。 2000(平成12)年から施工された品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)では、概ねその基準段階を元にして、住宅性能表示基準の「温熱環境性能」が表(※9)のように定められています。また、Q値(熱損失係数)も表(※9)のような変遷を経ています。 ■長期優良住宅と熱損失係数 長期優良住宅は、フラット35などの優遇金利や住宅ローン控除、5年間の固定資産税の半額控除(120u分まで)などのメリットがあります。その摘要を受けるための条件の一つに熱損失係数は、次世代省エネ基準、即ち品確法での住宅性能表示で最高ランクの4等級をクリアしている必要があります。 ■熱貫流率の基準値 「住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する設計及び施工の指針」では、部位別の熱貫流率の基準値や断熱材の熱抵抗の基準値が示されています。参考に、部位別の熱貫流率の基準値の表(※10)を掲載します。 |
「住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する設計及び施工の指針」 より |
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036 監理技術者講習が生き残っていたとは(2011年6月28日) |
■監理技術者講習の案内が来ました。てっきり事業仕分けで廃止になったと思いきや、ゾンビの様に生き残っていたようです。私は、2011年11月更新ですから、期限切れ半年前の案内ということらしい。 建築士には、一級・二級・木造建築士という資格があります。設計事務所は、いずれかの資格を有していなければ開くことはできません。実際には、講習(簡単な修了考査あり)を受けた管理建築士(建築士有資格者などが条件)も必要なことになっています。さらに姉歯事件の影響により、設計に携わる建築士は3年ごとの定期講習も義務づけられました。建築士の資格は、財団法人建築技術普及センターが発行しています。ちなみに建築技術普及センターでは、建築設備士とインテリアプランナーの資格も交付しています。 一方、建築施工管理技士には、1級と2級があり(こちらは算用数字)、建設工事の現場に置く主任技術者及び監理技術者の有資格者として、建築士とともに必要な資格として定められています。特に、1級建築施工管理技士は、公共性のある重要な5,000万円以上の建築一式工事には、専任が義務づけられています。どちらかとういうと、施工系の資格といえましょう。財団法人建設業振興基金が発行しています。 2010年度の1級建築士の学科試験の合格率が15.1%、製図試験の合格率が41.8%。また、2010年度の1級建築施工管理技士の学科試験の合格率が40.7%、実地試験の合格率が47.0%ですから、建築士の試験の難易度がより高いといえます。 施工管理技士の試験を受けて合格すると、監理技術者資格者(※1)が発行され、5年ごとの更新が義務づけられます。この資格者証も、いつできたのかは覚えていませんが、当初はありませんでした。財団法人建設業技術者センターが資格者証を交付しています。 ところが、2004年から、5年ごとの監理技術者講習が義務づけられるようになりました。しかも、監理技術者講習修了証(※2)が監理技術者資格者証とは別に交付されるのです。交付するのは、財団法人建設業振興基金です。講習は、財団法人全国建設研修センターなどが実施しています。 ■お気づきのように、多数の財団法人が出てきます。なぜこんなに必要なのでしょう。ところが、民主党政権による事業仕分けにより、2010年5月21日の判定結果として、監理技術者資格者証の交付は「廃止」、講習は「受講の義務付けを廃止」とするとなりました。 しかし国土交通省は、積極的に現在まで動いていないようです。その後、「廃止の方針」や「CPD制度の活用」などのニュースが幾度か流れましたが、今更ながらの更新案内が来るのですから、どうなることやらと思います。まあ、私は自主的に「廃止」を決めようと思っています。 |
監理技術者資格者証(※1) |
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監理技術者講習修了証(※2) |
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035 ガイア理論と原子力発電(2011年6月19日) |
※枠がある画像をクリックすると画像が開きます |
積丹半島の神威岬へ向かう |
神威岬の灯台が見えてきた |
神威岬で咲いていた花 |
神威岬の先端で |
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泊原子力発電所の前 |
レイチェル・カーソンが「沈黙の春」を世に出して約50年。DDTを規制したのが良かったか悪かったかの議論は、またの機会に譲るとして、化学物質による環境汚染への問題がそこで提起されたのは間違いない。彼女が問うた「分かれ道」をわれわれはどう選択しただろうか? 地球を一つの生命体とみる「ガイア理論」は、ジェームズ・ラブロックによって提唱された。不可解な自然現象をガイア理論から説明すると、地球があたかも生命体のような自己調節システムを備えていることになる。そうなると、地球が人類に見切りをつけるのは、そう遠くない将来なのかも知れない。しかし、地球が生まれて約46億年。「新人」といわれる直接の祖先であるホモ・サピエンスが誕生したのが、せいぜい20万年前、地球の年齢を1年に例えると、大晦日の約18分前にホモ・サピエンスが誕生したに過ぎない。人類の一生は、地球の年齢からみると<ほんの一瞬>ということになる。1秒もないわけだ。中国5千年というが、除夜の鐘が鳴る30数秒前に過ぎない。そんなちっぽけな人類が地球に対して、余りにも短期間に大きな悪さを仕掛けていることが問題とされる。 ジェームズ・ラブロックはその後、地球温暖化を止められるのは「原子力」しかないと、旧来の環境保護運動とは異なる道を歩み始める。彼は、「ガイアの復讐」の中でこう述べている。 われわれは恐怖を克服し、原子力が地球に最小限の変化しかもたらさない安全な折紙付きのエネルギーだという事実を受け入れねばならない。原子力は他のいかなる工学技術にも劣らぬほど頼りになるし、その安全性については、他の主要なエネルギー源のなかで最高だということが実績によって証明されている。 今回の「福島原発」をめぐる<事故>は、人災とみようが、天災とみようが、原子力には安全の折紙など、まったくないことが証明されてしまった。ラブロックは、今回の事故をどう捕らえているのだろうか。ネット等を検索したが、見つけることはできなかった。もっとも、日本語のインターネットを見るだけの能力しか所有していない当方としては、限界がある。ちなみに彼は、核分裂による原子力発電を核融合発電までの過度期の技術と捕らえてる。 私が住む北海道に唯一の泊(とまり)村の原子力発電所を外観してきた。ただ、行っただけだから、警備の人がいる門を見てきたというのが正解だろう。パトカーも駐車していて、近傍を警戒してもいた。2007年、建設中だった3号機に関連して、放火とみられる連続火災が発生して、新聞等で報道されていたのは記憶に新しい。 泊原子力発電所には、現在3機の原子炉(加圧水型軽水炉)があり、1989年に運転開始をした1号機(定格電気出力57.9万KW)は、現在定期検査中。稼働中なのは、1991年に稼動開始をした2号機(定格電気出力57.9万KW)と、2009年に稼動開始をした3号機(定格電気出力91.2万KW)。3号機は、正確には調整運転中ということらしいが、核燃料のリサイクルであるプルサーマル実施も予定されている。泊原子力発電所は、1〜3号機で、北海道全体の40%の電力供給能力を持つという。実際には、30%弱程度の稼働率のようだ。 |
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泊原子力発電所の外観 |
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高さ85mにあるという鉄塔 |
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事前に予約をすれば、泊原子力発電所を一望できる構内展望台からの見学も可能だが、近くにある、原子力PRセンターである「とまりん館」に行ってみた。ここには利用料無料の温水プールが併設されているが、かつてここで泳いだ記憶がある。とまりん館には、実物大の蒸気タービン模型や、原子炉容器模型などが展示されている。すっかり有名になった使用済燃料ピットの模型も展示されていた。また、泊原発の建設に伴い、遺跡調査が行われたヘロカウルス村の縄文遺跡も展示されていた。ここでも十勝や置戸から産出された黒曜石や新潟県の糸魚川から産出されたヒスイが見つかっている。約5千年前の縄文遺跡だ。 とまりん館には、平日ということもあるが、原子力展示コーナーには他の来客もいなかった。中を歩いても、関係者風の人の姿がほとんどという状況だった。見学の際、いくつかの資料を勝手に貰ってきた。その資料を見ると。 福島第一原子力発電所では、基準海水面を15m超える津波が襲った。事故時に必要とされる原子炉を「止める」・「冷やす」・「閉じ込める」の機能のうち、「止める」機能は確保されたが、「冷やす」機能のための、海岸近くにあった海水ポンプと原子炉建屋に隣接するタービン建屋の地下にあった非常用ディーゼル発電機は、津波で機能を失い、結果として放射能物質が環境中に放出され、「閉じ込める」ことができなかった。(図1) 泊原子力発電所では、海水ポンプは循環水ポンプ建屋内にある。その建屋は海抜10mだ。非常用ディーゼル発電機は、原子炉建屋内にある。その建屋の海抜も10m。一方、福島第一にない「タービン動補助給水ポンプ」を備えている。炉心の熱による水と復水器から供給される水の熱交換による蒸気を動力として、低温水を蒸気発生器に給水することによって、炉心冷却を図るものだ。補助給水タンクも原子炉建屋内にあるが、海抜31mの高さにあるという。(図2) さらに貰ってきた資料を見ると、外部電源は多数あるが、予備外部電源となる海抜85mにある送電線を2014年までに3号機にも接続するとしている(1,2号機は接続済)。送電塔の<支持がいし>の耐震対策も計画されている。また、非常用発電機も海抜31mに建設予定らしい。その他、さまざまな対策が計画されているようだ。 ジェームズ・ラブロックが如何に<安全>と力説しようとも、原子力発電の安全神話が崩れてしまった現在、同じ道を歩むことは難しいだろう。それが日本で起きたのである。とはいえ、いきなり異なる道を歩むことはできない。一度、来た道を戻っても良いから、新たなる道を歩むべきだと私は思う。それが、日本から始まることを努力したいと思う。 泊原子力発電所の前に、積丹(しゃこたん)半島の神威(かむい)岬を訪れた。霧雨が少し降り注いでいたが、片道30分程度の岬先端までの道を傘もなしに歩くことができた。ここには、北海道の壮大な自然がある。 |
とまりん館 |
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蒸気タービン模型 |
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福島第一発電所の津波による被害状況 (図1) 「東日本大震災による原子力事故を踏まえた泊発電所の対応について /北海道電力」より |
使用済燃料ピットの模型 |
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緊急時における泊発電所の設計上の特徴について (図2) 「東日本大震災による原子力事故を踏まえた泊発電所の対応について /北海道電力」より |
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034 地震保険について その7/津波と液状化の基準見直し(2011年6月11日) |
再び、札幌に戻ってきました。今回の郡山行きは短期間で済みました。 <津波被害による地震保険の査定・簡易手法> 地震保険の査定では、津波被害による簡易手法が導入されていることが判りました。建物が一見して壊れていなくても、流出した油などで被害を受けている事例が多いことから、調査の効率化が図られているようです。 水位での基準が適用されるのは、木造建物と共同住宅を除く鉄骨建物です。 全 損扱い : 鴨居や扉の上端(一般的な建物で1.8m)までの浸水を被った場合 半 損扱い : 床上浸水か地盤面から45cmを超える浸水を被った場合 一部損扱い : 基礎の高さ以上の浸水を被った場合 <地盤液状化による査定基準の見直し> また、災害救助法による「全壊」「大規模半壊」「半壊」の基準が見直されたことにより、地震保険における地盤液状化による建物損害の査定基準も見直しが図られたようです。この見直しは、5月末の通達らしいのですが、相当数の建物の査定作業が終わった現在、液状化が発生した地域では、再査定という事態が多数予想されます。 入手した資料では、今まで認定がなかった木造建物にも傾斜等が示されています。 対象は、木造建物と共同住宅を除く鉄骨建物です。 @傾斜 全 損扱い : 1°(17/1000)を超える場合 半 損扱い : 0.5°(9/1000)を超え、1°(17/1000)以下 一部損扱い : 0.2°(4/1000)を超え、0.5°(9/1000)以下 A最大沈下量 全 損扱い : 30cmを超える場合 半 損扱い : 15cmを超え、30cm以下の場合 一部損扱い : 10cmを超え、15cm以下の場合 以上の測定・算定にあたっては、鉄骨建物の損害認定基準を準用するとのことです。また、従来実施された主要構造部の損害割合は加算しないこと。@傾斜、A最大沈下量のいずれか高い方の損害割合を採用することなどが定められています。 <従来の鉄骨建物の沈下・傾斜の認定基準> 参考までに、準用するとされた鉄骨建物の認定基準の考え方は、表(※1)の通りです。要するに、沈下量・傾斜ともに隅または辺の最大値を採用するということです。従来の認定をみると、傾斜は約1.7°(30/1000)で全損、沈下は40cmを超える場合が全損でしたから、加算の可否を考えると単純に比較はできませんが、液状化による査定基準は緩やか(保険金が出やすい)になったのは間違いありません。 |
郡山商工会議所の解体現場 |
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郡山駅前のホテルが閉鎖 |
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郡山市内中心部にあった土蔵造り |
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(※1) 鉄骨建物の沈下・傾斜の認定基準 |
東北最大の前方後方墳 大安場古墳群・1号墳 (全長83メートル) 郡山市田村町 |
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033 震災レポート 郡山にて その2(2011年6月3日) |
渡り廊下が崩壊/郡山市内 |
閉鎖された建物/郡山駅前 |
郡山駅前・クリックでアップ |
郡山市役所・クリックで別面 |
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郡山公会堂 |
中央公民館・クリックでアップ |
郡山市内(斜めになっている) |
← 一部分のアップ |
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郡山市内は、地震による被害が、よく見れば見るほど目に入ります。古い総合病院の渡り廊下が崩落していました。駅前近くでは、シートが張られ福岡県警の黄色いテープが廻されていましたが、もしもの時は、そんな程度の保護では役に立たないでしょう。その近くのNTTビルでは、柱のせん断破壊の無残な爪痕が残っています。また、郡山市役所の展望台が崩壊して、死者が出たそうです。崩壊部分の解体は終わったようですが、建物全体が使用不能となりました。市内ではその他、応急危険度判定による<危険>の張り紙が目に付きます。 1924年竣工の郡山公会堂に行ってみました。ロープが巡らされ、中に入ることができません。隣の郡山市立中央公民館もロープが張られて閉鎖されていました。その途中に見た、郡山市麓山(はやま)のビル倒壊現場は、解体作業中でした。聞いた話では、3月11日の本震で、1階の一部が座屈し、4月11日の余震で、建物が完全に斜めになったそうです。簡単な足場を掛けて、斜めになった建物に人が入って作業をしていましたが、すこし不安になりました。幸い、地震では人身事故はなかったそうです。 久しぶりに南相馬市に入りました。途中、目にした福島市内の風景は、3週間ですっかり様変わりしていました。花の季節が終わり、新緑の季節となっていたのです。国見町を経由して、南相馬市に入ったのですが、いずれも水田に苗が植えられていました。南相馬市は、30km圏内でも車の活発な往来が目に付きます。しかし、南相馬市の原町駅前通ではシャッターを降ろしたお店が目に付きます。「遺留品展覧会場」の看板も目にしました。食事をしようとレストランを探したのですが、閉めているところが多いですね。 帰りは警戒区域を横断して二本松市へ抜けてみました。飯舘村と川俣町を通ったのですが、警戒区域の水田には、苗が植えられていませんでした。同じ川俣町でも、警戒区域を過ぎると、水田に苗が植えられていて、何故かほっとする思いがしました。しかし、風評等の影響を受けるでしょうね。 郡山市の南にある須賀川市にも、何度か足を運びました。こちらも地震被害による住宅の解体現場が目に付きました。沼地を埋め立てた住宅地だったようです。地震保険損害調査で住宅等を廻っていますと、地盤の良し悪しが明暗を分けていることにつくづく感じさせられます。震度6弱程度でも、岩盤の上に立つ住宅では、ほとんど被害が無いケースが多々あります。須賀川市の梨園では、小さな梨の実が生まれていました。郡山市内では、新しく建てられた仮設住宅も目に付くようになりました。早い復興が望まれますが、政争の愚を繰り返す政党政治には、つくづく愛想が尽きます。一体、何をしているのでしょうか? |
須賀川の梨園 |
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梨の実が育つ |
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国見町の水田 |
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南相馬市の水田 |
南相馬市原町駅前通り |
川俣町の水田(水がはられていない) |
川俣町の水田(苗が育つ) |
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須賀川市の水田・クリックでアップ |
本宮市の水田 |
郡山市の水田 |
郡山市内の仮設住宅 |
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032 震災レポート 郡山にて その1(2011年5月30日) |
いわき市の水田に苗が育つ |
いわき市内の瓦屋根被害 |
小名浜港付近の歩道の陥没 |
いわき市小名浜港 |
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いわき市小名浜港 |
予想はしていませんでしたが、再び福島に入りました。2週間程度の地震査定業務を依頼されたのです。今回のオフィスは郡山です。福島県は、2005年の統計ですが、人口数でいうといわき市が35.4万人、郡山市が33.9万人、福島市が29.7万人と、県内では第二位の都市ですが、民間企業の中心は郡山にあるようです。 2週間振りの福島県でしたが、<緑>がより濃くなっていました。水田にも苗が植えられ、日本の風景がここ浮かび上がります。とはいえ、風評を含めた放射能の影響は暗い影を投げかけています。そう思うこと自体が、風評の影響を受けているのかも知れません。 2日続けて、いわき市に入りました。タクシーの運転手さんの話では、相当、散乱していた小名浜でのがれきが、かなり片付けられたため、通行し易くなったとのことです。もちろん、津波の被害は、無残な爪痕を残しています。 小名浜の「アクアマリンふくしま」に行って見ました。残念ながら、バリケードで封鎖されていて、近くに寄ることはできません。仕方なく、湾の反対側に行ってみました。建築関連の雑誌等で、高さ3.3m程度の津波に襲われたとありましたが、あのガラス建築に被害は殆ど無かったことが信じられないですね。もっとも飼育・展示していた海洋生物20万匹が全滅しましたことは、残念なことです。一部、足場等が架けられていましたが、早い復旧が待たれます。私が立ち寄った対岸の護岸の被害状況は、かなり悲惨なものでした。津波の驚異を改めて思い知らされました。 以前から、福島で不思議に思うことがありました。家を一軒々々訪ねるわけですが、地番表示も殆ど無く、表札を下げていない家がかなりの頻度であるのです。あっても、極、小さい姓名だけの表札だったりします。苦労話はさておき、なぜ表札を下げないのでしょう。ある家では、押し売り等を避けたいためだと仰っていましたが、押し売りは表札のあるなしに関わらず来るのではないでしょうか? またある家では、引っ越してきたばかりだからと答えられました。でも、少しお話を伺って、いつ引っ越してきたのですかと聞くと、1年前だと言われました。 どうも、真の理由が別にあるような気がします。江戸時代は、表札を下げない習慣が江戸でもあったと聞いたことがあります。良く時代劇を見ると、南町奉行所などと大きな表札が下がっていますが、実際には、あのような看板はなかったそうです。私が思ったのは、要するに、表札を下げる必要性を感じていない、あるいは、そういう習慣が一部にないのではないでしょうか? タクシーの運転手さんに聞いても、明快な答えは返ってきませんでした。さて、この件に詳しい方がいるでしょうか? |
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アクアマリンふくしまの対岸 |
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アクアマリンふくしまの対岸 |
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いわき ららミュウ |
アクアマリンふくしま |
アクアマリンふくしま |
アクアマリンふくしま |
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031 災害救助法の住家の被害認定基準とさまざまな被害認定(2011年5月23日) |
災害救助法の適用を受けると、国と県がその経費の半分ずつを負担することになり、市町村の財政負担はなくなります。また、災害があったからといって、すべて災害救助法の適用を受けられることではありません。 「住家」というあまり使用されない単語が出てきます。住家とは、現実に居住のため使用している建物をいい、社会通念上の住家であるかどうかを問わないとのことです。官公署、学校、病院、公民館、神社、仏閣等は非住家となりますが、これらの施設に、常時、人が居住している場合には、その部分は住家とできるとのことです。 被害が摘要される災害は、表(※1)とされています。地震による被害のみ第1次調査と第2次調査があり、第1次調査は外観の目視調査を基本としていますが、第2次調査は、第1次調査を実施した住家の被災者から申請のあった場合に実施することとされています。その際は、申請者の立会を原則としていますが、半壊が全壊と変わるなどの見直しがここで行われます。また、いずれの被害の認定にも被災者から不服の申立てが認められています。その際には、再調査が行われます。 被害の認定は、「災害の被害認定基準」等に基づき、表(※2)によって、「全壊・大規模な半壊・半壊・一部損」と判定され、罹災証明が発行されます。今回の東日本大震災に多かった津波被害については、被害認定迅速化のため、表(※3)の認定方法が採用されています。表にはありませんが、床下浸水は一部損壊と認定されます。一部損壊と認定されますと、補助等の対象になりませんが、一部の市町村では、独自に一部損壊への修繕費等の補助制度を出した例もあります。 具体的な判定方法は、 1)外観による判定 2)傾斜による判定 3)部位による判定 が定められており、「災害に係る住家の被害認定基準運用指針(平成21年6月改定)」に細かい損傷率などの計算方法が出ています。また、今回の東日本大震災において、液状化現象による判定の見直しがされた主な内容は、表(※4、5)の通りです。 罹災証明が出ると、災害救助法を初めとして、その被害に応じた各種の被災者支援策があります。 @災害救助法に基づく支援制度(住宅の応急修理・応急仮設住宅の設置等) 前項に出てきた救助内容です。住宅の応急修理は、、住家が半壊等で、居室、台所、トイレ等の日常生活に必要最小限の修理に対して支給されます。所得制限もあり、52万円が最高額です。 A被災者生活支援法に基づく支援制度(被災者生活再建支援金) 解体する場合は100万円、補修する場合は100万円、新たに建設・購入する場合は200万円、公営住宅以外の貸借をする場合は50万円などの支援金が給付されます。(各種条件があります) B災害弔慰金の支給等に関する法律に基づく支援制度(災害援護資金の貸付) これも被害の程度や所得制限がありますが、あくまでも貸付ですから返金しなければなりません。 もう一つ良く出てくる「応急危険度判定」というのがあります。緑の「調査済」、黄色の「要注意」、赤の「危険」のステッカー(※6)が福島でも多数の建物に貼られていました。地震による二次被災の防止を目的として、行政職員や応急危険度判定士(指定講習を終了した建築士)が所有者の要請により判定するものです。ちなみに私も、北海道の指定講習を受講しています。 また、建物の所有者が民間建築士等に依頼して判定する「被災度区分判定」というのがあります「復旧不要・要復旧・復旧不能」などの判定が行われます。これは、建物の復旧の要否を判定する基準とのことですが、被害の調査表には、「大破・中破・小破」などの判定が出てきます。 このように震災等による被災に対する認定・判定等に種類が多いのが果たして良いのかとなるかと疑問を感じせざるをえません。目的が異なるために各種の資格等があるのは良いとしても、判定に関わる定義は統一してもらいたいものです。どうも関連団体を増やした結果の様な気がしてなりません。 |
災害救助法に適用される災害 (※1)/内閣府資料より |
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災害の被害認定基準 (※2)/内閣府資料より |
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東日本大震災による津波被害認定基準 (※3)/内閣府資料より |
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見直しされた不同沈下による判定 (※4)/内閣府資料より |
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見直しされた基礎の沈下(潜り込み)による判定 (※5) /内閣府資料より |
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震災建築物応急危険度判定士によるステッカー例 (※6) /内閣府資料より |
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